頚髄損傷による四肢麻痺で1億2000万円の賠償獲得事案 - 名古屋の交通事故弁護士

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頚髄損傷による四肢麻痺で、建設現場監督の職業特性と将来介護費用を含めて1億2000万円の賠償を獲得した事案

事故の概要と被害状況

被害者情報

性別

男性

年齢

40代

職業

総合建設会社勤務の現場監督(一級建築施工管理技士)

後遺障害等級

1級1号

受傷部位

第5・6頚椎脱臼骨折、頚髄完全損傷、四肢麻痺(両上肢・両下肢の完全麻痺)、膀胱直腸障害、褥瘡

事故の態様

名古屋市港区の幹線道路において、徒歩で横断歩道を渡っていた被害者に、信号無視をして直進してきた加害車両が正面から衝突

賠償金額の比較

項目受任前受任後
保険会社からの提示・裁判5500万円
休業損害400万円800万円
入通院慰謝料300万円550万円
逸失利益2800万円5500万円
後遺障害慰謝料1100万円2800万円
医療費等を含む賠償総額5500万円1億2000万円

交通事故の状況

名古屋市港区の幹線道路において、横断歩道を青信号で渡っていた被害者に、信号無視をして直進してきた加害車両が正面から衝突しました。被害者に過失はなく、過失割合は0:100です。事故により被害者は路面に激しく叩きつけられ、頚部を強打しました。救急搬送先での頚椎レントゲンおよび造影CT検査で第5・6頚椎の脱臼骨折が確認され、MRI検査で頚髄の完全損傷が明らかとなりました。緊急手術(頚椎前方固定術および後方除圧固定術)が施行されましたが、術後も四肢の完全麻痺、膀胱直腸障害が残存し、自発呼吸は保たれているものの、頚部から下の感覚・運動機能がほぼ完全に失われました。ICUでの集中治療を経て一般病棟に移り、入院リハビリを含め約14か月の入院加療の後、在宅療養に移行しました。

相談内容

事故から1年7か月が経過し、症状固定となった時点で保険会社から示談提示がありました。被害者は総合建設会社に勤務する一級建築施工管理技士として、オフィスビルや商業施設の建設現場において、工程管理・品質管理・安全管理・協力会社の指揮監督を行っていました。四肢完全麻痺により就労の継続は不可能となり、介護なしには日常生活を送ることができない状態となりました。自宅への復帰にあたっては住宅改造が必要となり、電動車椅子・介護用ベッド・特殊浴槽など各種福祉用具の購入も余儀なくされました。保険会社の提示では、将来介護費が近親者による自宅介護を前提とした低額算定にとどまり、職業上の損失や住宅改造費が十分に評価されていなかったため、弁護士に相談されました。

成果の概要

まず、リハビリテーション科専門医および在宅医療専門医の協力を得て、被害者の日常生活動作(ADL)の全項目を評価し、24時間介護が不可欠であることを医学的に立証しました。近親者介護だけでなくプロの介護職員による専門的ケアが必要な場面(体位変換・カテーテル管理・褥瘡処置など)を詳細に記録し、日額1万5,000円を基準とする職業介護費を採用した将来介護費として約4,500万円を算定しました。さらに、頚椎固定術後の定期的な画像検査費用、膀胱直腸障害に伴う泌尿器科的管理費用、神経因性膀胱の感染予防のための抗生物質費用など将来治療費として約300万円を算定しました。また、住宅改造費(スロープ・手すり・浴室改修・寝室のバリアフリー化)として約700万円、電動車椅子・特殊浴槽・介護用ベッドなどの福祉用具購入・更新費として約400万円を積算しました。逸失利益については、一級建築施工管理技士として年間約720万円の収入を得ていたことを源泉徴収票と雇用証明書で立証し、労働能力喪失率100%・就労可能年数22年(症状固定時45歳、67歳まで)として算定しました。後遺障害慰謝料は1級1号として裁判基準(弁護士基準)の2,800万円を主張しました。四肢麻痺の深刻さと建設現場監督という職業の完全喪失を総合的に立証し、訴訟を提起して最終的に約2.2倍の1億2,000万円の賠償を獲得しました。

成果のポイント

  • ・頚髄完全損傷による四肢麻痺では、24時間介護が医学的に必要であることをADL評価と専門医の意見書で立証し、近親者介護ではなく職業介護費(日額1万5,000円基準)を採用させることで、将来介護費を大幅に増額させることができます。
  • ・四肢麻痺に伴う膀胱直腸障害・褥瘡リスク・頚椎固定術後の定期検査など、複合的な将来治療費を個別に積算して請求することで、将来費用全体を適正に補償させることができます。
  • ・建設現場監督・施工管理技士・現場職長など、身体活動と現場巡視が不可欠な建設・土木職の場合、四肢麻痺により職業が完全に失われることを源泉徴収票・雇用証明書・業務内容の詳細記録により立証し、労働能力喪失率100%を確実に認めさせることが重要です。
  • ・住宅改造費・電動車椅子・介護用ベッドなどの福祉用具購入費は、被害者の自宅の実際の図面と見積書を根拠として詳細に積算することで、概算での低額査定を防ぎ、適正な金額を請求することができます。
  • ・保険会社は「将来介護は家族が行うべき」として職業介護費を認めないことがありますが、頚髄損傷による四肢麻痺では体位変換・カテーテル管理・褥瘡処置など専門的ケアが必要であることを医学的に立証することで、職業介護費の採用を認めさせることができます。
  • ・頚髄損傷の事案では、脊椎脊髄外科専門医および在宅医療・リハビリテーション科専門医との連携が不可欠であり、ADL評価・将来介護計画・住宅改造計画を一体的に立証することが適正な補償を受けるための鍵となります。