腰椎圧迫骨折による脊柱変形と神経症状で、将来手術費用を含めて5400万円の賠償を獲得した事案 - 名古屋の交通事故弁護士

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腰椎圧迫骨折による脊柱変形と神経症状で、将来手術費用を含めて5400万円の賠償を獲得した事案

事故の概要と被害状況

被害者情報

性別

男性

年齢

40代

職業

建設会社現場監督

後遺障害等級

8級相当、12級13号併合7級

受傷部位

第1腰椎圧迫骨折、脊柱変形、馬尾神経障害、両下肢筋力低下

事故の態様

名古屋市中川区の国道において、信号待ちで停車中の被害者車両に、脇見運転の加害車両が時速60kmで追突

賠償金額の比較

項目受任前受任後
保険会社からの提示・裁判1800万円
休業損害320万円780万円
入通院慰謝料240万円380万円
逸失利益1100万円3200万円
後遺症障害慰謝料140万円1000万円
医療費等を含む賠償総額1800万円5400万円

交通事故の状況

信号待ちで停車中の被害者車両に、脇見運転をしていた加害車両が時速60kmで追突しました。被害者に過失はなく、過失割合は0:100です。事故により座席に強く叩きつけられ、第1腰椎の圧迫骨折を負いました。

受傷直後から腰部の激痛に加えて両下肢の痺れと脱力感が出現し、救急搬送されました。CT・MRI検査により圧迫骨折と骨折片による馬尾神経の圧迫が確認され、約3週間の入院加療を受けました。

保存的治療により骨は癒合しましたが、椎体の前方高が健側の60%まで減少して後彎変形が残存し、さらに両下肢の筋力低下と痺れが症状固定後も持続しました。

相談内容

事故から1年3か月が経過し、症状固定となった時点で保険会社から示談提示がありました。被害者は建設会社の現場監督として、工事現場を巡回し、重い資材を運び、足場を昇降するなど、身体的負荷の高い業務を日常的に行っていました。

しかし、腰椎圧迫骨折後の脊柱変形により長時間の立位や前屈姿勢の保持が困難となり、さらに両下肢の筋力低下により階段や足場の昇降時に不安定さを感じるようになりました。会社は内勤の積算業務への配置転換を提案しましたが、給与が約30%減少することになりました。

しかし、保険会社の提示では脊柱変形は認めたものの、神経症状については「客観的証拠が不十分」として低く評価され、また将来的に変形が進行して追加手術が必要になる可能性も考慮されていなかったため、弁護士に相談されました。

成果の概要

まず、整形外科専門医の協力を得て、脊柱のレントゲン側面像により第1腰椎の前方椎体高が健側の60%まで減少していることを計測し、コブ角20度の後彎変形が生じていることを医学的に立証して8級相当「脊柱に運動障害を残すもの」の認定を受けました。

さらに、両下肢の神経症状については、脊椎専門医を受診し、MRI検査で馬尾神経の圧迫所見を確認し、徒手筋力テスト(MMT)で両下肢の筋力が4レベル(正常5レベル)まで低下していること、腱反射の減弱、知覚検査での感覚鈍麻を詳細に記録し、12級13号「局部に頑固な神経症状を残すもの」の認定を受け、併合7級としました。

その上で、脊椎専門医の意見書により、現在の圧迫骨折による変形は将来的に隣接椎体への負荷が増大し、5年から10年後には変形が進行して追加の脊椎固定術が必要になる可能性が高いことを医学的に指摘し、将来手術費用として約500万円を算定しました。

また、現場監督という職業は、工事現場での立位作業、重量物の運搬、足場や階段の頻繁な昇降、前屈姿勢での作業確認など、腰部と下肢に極めて高い負荷がかかる業務であることを、実際の作業内容を撮影した動画や上司の陳述書により詳細に立証し、脊柱変形と両下肢筋力低下により現場業務の約80%が遂行不可能であることを明らかにしました。

これにより、併合7級の通常の労働能力喪失率(56%)を上回る65%の喪失率を主張しました。脊柱変形の進行リスクと現場監督という職業特性を総合的に立証し、訴訟を提起して最終的に約3倍の5400万円の賠償を獲得しました。

成果のポイント

  • ・腰椎圧迫骨折による脊柱変形は、レントゲン側面像での椎体高の計測とコブ角の測定により客観的に立証することで、8級相当の認定を受けることができます。
  • ・圧迫骨折に伴う神経症状は、MRI検査での神経圧迫所見、徒手筋力テスト、腱反射検査、知覚検査などの神経学的検査を組み合わせることで、12級13号の認定を受けることが可能です。
  • ・複数の後遺障害(脊柱変形と神経症状)がある場合、それぞれについて適切な等級認定を受け、併合により等級を上げることで、賠償額を大幅に増額できます。
  • ・圧迫骨折による変形は将来的に隣接椎体への負荷増大により変形が進行し、追加手術が必要になる可能性があるため、脊椎専門医の意見書に基づいて将来手術費用を請求することが重要です。
  • ・建設現場監督、鳶職、配送ドライバーなど、腰部への負荷が高く身体活動を伴う職業の場合、脊柱変形と神経症状による労働能力への影響は通常の等級基準を上回ることがあり、具体的な作業内容を動画や陳述書で立証することで高い労働能力喪失率を認めさせることができます。
  • ・腰椎圧迫骨折の事案では、整形外科専門医および脊椎専門医との連携が不可欠であり、画像所見と神経学的検査データの両面から医学的立証を行うことが適正な補償を受けるための鍵となります。